1. 観光を通じた地域振興への貢献

本センターでは、観光を通じた静岡県内地域振興への貢献に主として注力、以下の通り静岡県庁をはじ め、各自治体と様々な連携、委託研究を行っているほか、民間企業との共同研究もスタートさせていま す。主な取組みは以下の通りです。

(1) 静岡県賀茂地域1市5町との連携協定に基づく活動

  • 賀茂地域広域連携会議オブサーバー
  • 静岡県が下田市に整備した「賀茂キャンパス」において、観光関連事業者向けの「社会人講座」を毎月1回開催。
  • 賀茂地域観光関連事業者を対象とした「賀茂地域観光景気動向調査」を毎月1回実施、調査結果は同地域に還元。
  • 賀茂地域中学校‧高等学校における観光出前授業を実施。
  • 静岡県教育委員会と連携して、賀茂地域の中学生向けに「賀茂版Dream授業」、高校生向けに「アカデミックスクール」を開催。
  • 本学生と静岡大学生、静岡文化芸術大学生(いずれも有志)とともに、賀茂地域局と連携して、同地域 における賑わい創出、地域活性化に向けた「若旅」プロジェクトを企画、進行中。

(2) 静岡県庁との連携

  • 静岡県スポーツ‧文化観光部からの依頼により、「静岡県観光中期計画」の策定作業に参加。
  • 静岡県スポーツ‧文化観光部と連携して、JR東静岡駅南口の県有地の有効活用に関する検討を開始し、実証実験開催。
  • 静岡県スポーツ‧文化観光部と連携して、駿河湾フェリー有効活用策の検討。
  • 静岡県スポーツ‧文化観光部が作成した観光事業者向け「新型コロナウィルス感染症に関する対応 指針」の策定関与。
  • 静岡県経済産業部、静岡県大学コンソーシアムと連携して、静岡県内におけるガストロノミーツーリズムの展開に大学生向け公開講座の設置に向け検討。

(3) 静岡県内市町との連携

  • 熱海市におけるサイクルツーリズムの展開。
  • 熱海市土産品支援プロジェクト「あたみやげおつかいし隊」の推進。
  • 駿東郡小山町からの委託研究として「東京オリパラ自転車競技のレガシーを観光振興につなげる取り組み」を検討 (2021年)。
  • 富士宮市に点在する富士山世界文化遺産の構成資産を活用する取り組み (2021年)。
  • 静岡市が舞台の1つとなる2023年のNHK大河ドラマ「どうする家康」放映を受けて、静岡市内の家康ゆかりの地を周遊する観光マップ、音声アプリを静岡市役所、常葉大学と共同で開発、リリー ス。
  • 島田市からの委託事業として、「島田市内のご利益スポット巡り」を通じた観光振興策を検討。

(4) 民間企業との連携

  • 静岡鉄道が事務局を務めている「静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクト」に技術会員として参加。
  • 草薙地区実証実験に協力 (2020年12月)。 静岡商工会議所の依頼により、大河ドラマ「どうする家康」放映を機とした静岡市の観光振興策について検討。
  • 加和太建設の依頼により、道の駅「函南ゲートウェイ」における観光客動向調査 (2021年~)。
  • 熱海市における「ハレノヒサイクル」導入の検討 (2021年6月)。

2. 「静岡ブランド健康食」の開発

静岡県立大学では、従来から地域における持続可能な健康長寿社会づくりを目指し、「健康食イノベー ション事業」に取り組んできましたが、新型コロナウィルスの感染拡大‧長期化の下で、栄養バランス がとれた食事に対する国民の関心が高まっていることを踏まえ、本センターを中心に、同事業の一環と して、県内外からの観光客に静岡県産食材による「健康に良い食事」を「静岡ブランド健康食」として 提供することで観光客の誘客に繋げる取組みを行っています。具体的な取組みは以下の通りです。

  • 2020年8月~2021年3月: 静岡県内飲食‧宿泊施設2先において「静岡ブランド健康食」の開発。 
  • 2021年4月~:上記先において「静岡ブランド健康食」の提供開始。
  • 2021年8月~2022年3月: 静岡県内飲食‧宿泊施設1先において新たに「静岡ブランド健康食」の開 発、および既提供先における「静岡ブランド健康食」提供料理内容の見直し検討。
  • 2022年4月~:上記3先において「静岡ブランド健康食」の提供開始。

3. 静岡県立大学大学院 経営情報イノベーション研究科における観光教育

主として静岡県において観光事業に携わる方のリカレント教育の一環として、および近い将来観光事業への就職を目指す学生を対象とした人材育成として、2021年4月より本学大学院経営情報イノベーショ ン研究科博士前期課程において入学者を受け入れています。開講している科目およびこれまで博士前期課程で学んでいる学生の研究テーマは以下の通りです。

開講科目

観光政策特論、観光調査特論、地域観光特論、観光情報分析特論、観光産業特論、観光まちづくり特
論、観光マネジメント特論、レベニューマネジメント特論、地方創生特論

大学院生研究テーマ

「静岡県DMOの現状と課題」、「温泉」、「観光経営」、「静岡県における地域特性を踏まえた観光 教育の展開」、「静岡県におけるコンテンツツーリズムの活用」

4. 社会人講座

2020年10月より、静岡県により下田市に設置された「賀茂キャンパス」(下田総合庁舎内)において、 原則、毎月1回、「観光関連事業者のための社会人講座」を開講しています。本講座は、観光関連事業 を営む経営者、従業員の方向けに、リカレント教育の一環として、最新の観光動向や高度な専門的知識 を習得して頂くために、静岡県賀茂地域局の支援のもと開催しています。既に30回以上の開催実績を数 えており、賀茂地域のみならず、伊豆半島全地域から多数の受講者に参加して頂き、本センターと観光 関連事業者との双方向の意見交換の場としても機能しています。

賀茂キャンパス「観光人材育成のための社会人講座」

  • 「食の魅力を観光資源にするために 〜スペイン‧サンセバスチャンからの学び〜」
  • 「持続的な観光産業の発展に向けて 〜1日は24時間 日の入りから早朝の魅力作りを!」
  • 「首都圏在住者からみた伊豆観光の魅力」
  • 「静岡県におけるコロナ後のインバウンド観光マーケティング」)
  • 「コンテンツツーリズムの活用 〜新たな文化資源を地域の宝に〜」
  • 「コロナ終息が見えない中での賀茂地域の観光戦略を考える」
  • 「今すぐ役立つ、観光地のSNS対策」
  • 「観光業におけるダイナミックプライシングを活用した新価格戦略について」
  • 「観光理論から見るコロナ後の観光地域再生化 〜インバウンド観光市場の事例〜」
  • 「ポストコロナにおける富裕層戦略について」
  • 「賀茂地域観光の将来像 〜若者目線で観光客を掘り起こそう〜」
  • 「サイクル‧ツーリズム 〜導入に向けての提案〜」
  • 「地域観光におけるインバウンド市場のセグメンテーション」
  • 「経営の意思決定に必要な投資計画と資金の時間的価値について」

社会人学習講座

静岡県立大学大学院 経営情報イノベーション研究科 地域経営研究センターが主催する「社会人学習講 座」においても以下のようなテーマで講座を行っています。

  • 「これからの静岡県の観光戦略 〜Withコロナ時代で観光は変容する〜」
  • 「掛川市に観光客を呼び込もう 〜掛川は観光資源の宝庫〜」
  • 「首都圏在住者からみた伊豆観光の魅力」
  • 「静岡ブランド健康食による観光振興」
  • 「清水区繁栄の鍵は観光にあり」
  • 「ニューノーマル時代の観光地経営」
  • 「観光ビジネス英語入門」「観光ビジネス英語中級 」
  • 「 英語で学ぶインバウンド観光」
  • 「英語で学ぶ農村観光 」
  • ‧東京理科大学オープンカレッジ社会人講座「ダイナミックプライシングを活用した、デジタル時代の販売戦略」

5. その他講演

  • 「賀茂地域観光業の現状と課題」
  • 「コロナ禍における静岡県観光の状況について」
  • 「コロナ禍での観光需要の創出について」
  • 「県内の観光とインフラ整備について」
  • 「中部横断自動車道の開業効果等について」
  • 「駿東郡小山町における持続可能な経済発展について」

6. 商業高等学校における観光教育のサポート

2022年度からの商業高等学校における観光教育開始に向けて、商業高校において観光教育を担当する教員を大学院研究生として受け入れ、観光教育のポイントを指導しているほか、実際に商業高校に出 向いた観光出前授業も実施しています。

  • 静岡県立浜松商業高校、および同伊東商業高校より観光教育担当教員を大学院研究生として受入れ
  • 静岡県立伊東商業高校より観光教育担当教員を大学院研究生として受入れ
  • 静岡県立島田商業高校における観光出前授業
  • 静岡県立沼津商業高校における観光出前授業
  • 静岡県立浜松商業高校における観光出前授業

7. 中学生‧高校生向け観光授業の開講

  • 静岡県立掛川西高校
  • 静岡県立稲取高校
  • 賀茂郡松崎中学校
  • 静岡県立韮山高校
  • 静岡県立下田高校
  • 静岡県立島田商業高等学校
  • 静岡県立吉原高等学校
  • 静岡県立富士宮東高等学校
  • 静岡県立藤枝西高等学校

8. その他

  • UNWTO世界ガストロノミーツーリズムフォーラム出席
  • ガストロノミーツーリズム実地調査、関係者との意見交換(スペイン‧サンセバスチャン)